弁護士 赤塚洋信 公式サイト トップ

  • 弁護士紹介
  • 業務案内
  • 実 績
  • 弁護士費用
  • ご相談の流れ
  • アクセス・お問い合わせ
  • 法務コラム

債権回収

代物弁済による債権回収

投稿日 : 2017年12月03日

代物弁済(だいぶつべんさい)による債権回収について解説していきます。

代物弁済とは

代物弁済とは、本来の契約上の給付に代えて、別の給付(弁済)をすることを意味します。債権回収の場面では、典型的には、代金が支払えなくなった債務者が、代金支払いに代えて債権者に商品や権利を引き渡すことです。

代物弁済の例

代物弁済のために引き渡すものとしては、財産的な価値のあるものであれば基本的に何でも対象となります。商品、売掛債権、不動産はいずれも代物弁済の対象となります。

代物弁済の手続き

代物弁済をするためには、代物弁済をすることについて当事者間で合意し、本来の債務に代わる別の給付を行うことで足ります。しかし、トラブル防止の観点からは代物弁済に関する合意書を作成して書面化しておくのが望ましいといえます。合意書においては、①代物弁済によって消滅する債権が何であるか、②代物弁済として引き渡す財物は何か、を明記しておく必要があります。ここで、①の代物弁済によって消滅する債権は、債権の一部とすることも可能です。例えば、総額で100万円の売掛債権がある場合において、その50万円分の支払いに代えて対象となる商品在庫を引き渡す、と合意することなどです。

債権の金額と引き渡しの対象となる財物の価値が見合わない場合

代物弁済においては、金銭ではなく何らかの物や財物を引き渡すことになります。そうすると、債権の金額と引き渡しの対象となる財物の価値が同程度にならないという事態が生じます。これには、債権の金額の方が大きい場合と引き渡しの対象となる財物の価値の方が大きい場合の2とおりがあります。

【債権の金額の方が大きい場合】
この場合、債権は消滅し、取引先は差額分を支払う義務を負いません。債権の金額の方が明らかに大きい場合、上記2で述べたとおり、一部の債権に関する代物弁済として合意することが考えられます。

【引き渡す財物の価値の方が大きい場合】
この場合、自社は差額分を清算する義務を負いません。しかし、債権の金額に比してあまりに高額な財物を代物弁済として受領することは、暴利行為として法律上無効とされるおそれがあります。また、他の債権者や管財人等からも問題視されることになり、結果として代物弁済として受領した財物を返還しなければならなくなるリスクも大きくなります。

商品等を代物弁済の対象とする場合の注意点

取引先が有している他社商品等を代物弁済の対象とする場合、その引渡しを受けることが重要です。引渡しを受けずに取引先の手元に商品等が残っていると、その商品を納入した業者が商品を引き揚げてしまったり、他の債権者が代物弁済として引渡しを受けてしまうおそれがあるからです。先に自社と取引先との間で代物弁済について合意していても、商品等を持って行かれると最早取り戻すことはできません。

売掛債権を代物弁済の対象とする場合の注意点

取引先が有している売掛債権を代物弁済の対象とする場合、債権譲渡に関する対抗要件を備える必要があります。対抗要件とは、平たく言うと当事者間で合意した内容を当事者以外の第三者に対して主張するために必要となる要件です。

対抗要件を備えるための主な方法としては、第三債務者(当該売掛債権の債務者)に対して内容証明郵便にて債権譲渡の通知をすること、又は債権譲渡について第三債務者の承諾を得たうえで確定日付を得ることです。債権譲渡の対抗要件について、詳しくはこちらの記事(債権回収の方法-債権譲渡の活用)をご覧ください。

不動産を代物弁済の対象とする場合の注意点

取引先が有している不動産を代物弁済の対象とする場合、当該不動産の所有権移転に関する対抗要件を備える必要があります。不動産の対抗要件は登記です。代物弁済によって不動産の所有権が移転した事実を登記することになります。
          


債権回収に関して他にもお役に立つ記事を掲載しています。
【記事カテゴリー】債権回収
【参考記事】債権回収の方法のまとめ
【参考記事】債権回収を弁護士に依頼する場合のポイントのまとめ(企業向け)

債権回収について自社で対応されているでしょうか?
弁護士に依頼することでより確実に回収できる可能性があります。
【業務案内】債権の回収・保全

TOP

TOP