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債権回収

債権回収の方法-債権譲渡の活用

投稿日 : 2017年12月02日

債権回収の方法としての債権譲渡について解説していきます。

債権譲渡とは?

債権譲渡とは、文字通り債権を他人に譲り渡すことです。例えば以下のとおりです。

債権譲渡の例その1

上の図では、元々債権者が債務者に対して100万円の売掛債権を有していました。この売掛債権を新債権者に譲渡することによって、新債権者が債権者に代わって債権者となり、第三債務者に対して債権を行使することができるようになります。

債権回収の場面における債権譲渡の使い方

自社が取引先に対して売掛債権を有している場合、取引先が有する別の会社に対する売掛債権を譲り受けることによって債権回収を図ることができます。次のような場合です。

債権譲渡の例その2

上の図では、自社が取引先に対して120万円の売掛債権を有しており、取引先は第三債務者に対して100万円の売掛債権を有しています。取引先の信用状態が悪化して自社の売掛債権が支払われなくなったとき、取引先との合意で、取引先が第三債務者に対して有している100万円の売掛債権を譲渡してもらうことが考えられます。本来は120万円を金銭で支払ってもらうべきところ、この支払いに代えて、100万円の売掛債権を譲り渡すことで良い、との合意をすることが考えられます(代物弁済)。

債権譲渡の例その3

上の図では、自社の取引先に対する120万円の売掛債権は消滅し、取引先の第三債務者に対する売掛債権が自社に譲渡されます。その結果、最終的に自社が第三債務者に対する100万円の売掛債権を取得し、第三債務者に支払いを請求することができるようになります。この第三債務者からの支払いによって元の売掛債権(消滅した120万円の売掛債権)の回収を図ることになります。この例では元の売掛債権よりも債権譲渡された売掛債権の金額の方が少ないですが、それでも取引先の信用状態が悪化しているケースでは100万円を回収できた方が有利であるはずです。

債権譲渡をする方法

債権譲渡をするためには以下の手続きをとることが必要になります。

① 自社と取引先の間で債権譲渡の合意をすること(債権譲渡契約を締結すること)。

② 第三債務者に対して内容証明郵便にて債権譲渡の通知をすること、又は債権譲渡について第三債務者の承諾を得たうえで確定日付を得ること。

上記のうち、①については取引先の合意が必要です。また、譲渡の対象となる債権の有無やその内容も取引先から聴取する必要がありますので、その意味でも取引先の任意の協力が欠かせません。

②については、法律上2つの意味があります。1つは第三債務者に対して、今後は取引先ではなく自社に売掛債権の支払いをすることを認識してもらうという意味です(「債務者対抗要件」といいます)。もう1つは、取引先の他の債権者との関係で、この債権を譲り受けたのは自社であり自社が他の債権者に優先する、ということを記録に残すという意味です(「第三者対抗要件」といいます)。内容証明郵便で通知すれば通知の内容と日付が記録に残ります。また、承諾に関する確定日付とは、公証人役場に第三債務者の承諾書を持参し、その場で日付印を押捺してもらうことです。それによって承諾書が確定日付以前に作成されたことを証明できます。

②については、内容証明郵便による通知と第三債務者による承諾のほか、債権譲渡登記の制度を利用することも可能です。これは、法人が有する金銭債権に関する債権譲渡の事実を法務局において登記することにより、他の債権者との関係での対抗要件を得る(優先権を主張できる)ことができるとするものです。もっとも、この債権譲渡登記の制度は信用状態が悪化する前から担保目的で利用されることが多く、債権回収の場面では内容証明郵便を送付してしまう方が迅速・簡便であるといえます。

他の債権者との優先関係

債権譲渡の例その4

上の図では、取引先の第三債務者に対する100万円の売掛債権が二重に譲渡されています。すなわち、自社のみならず、取引先の他の債権者も同じ売掛債権を譲り受けているのです。このような事態は取引先の信用状態が悪化した状況では現実に生じます。取引先が一度に複数の債権者から支払いを迫られた場合、同じ売掛債権を複数の債権者に譲渡してしまうことがあるからです。債権は商品在庫と違って目に見えない財産であるためこのような二重譲渡がなされてしまいます。

この場合の自社と他の債権者との優先関係を決するのが、確定日付の先後です。先に確定日付ある第三者対抗要件を備えていた方が債権の権利者となります。具体的には、上記3で述べた、第三債務者に対して内容証明郵便にて債権譲渡の通知をすること、又は債権譲渡について第三債務者の承諾を得ることの先後によります。要するに早い者勝ちということになります。
          


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