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会社法

代表取締役の職務・権限

投稿日 : 2018年04月23日

代表取締役の職務・権限に関する会社法上の規定や判例について解説します。

代表取締役の権限等に関する会社法の規定

代表取締役の権限等に関する会社法の規定は以下のとおりです。

第349条(株式会社の代表)

取締役は、株式会社を代表する。ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。

2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。

3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。

4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

第362条(取締役会の権限等)

(略)

3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。

(略)

第363条(取締役会設置会社の取締役の権限)

次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。

一 代表取締役

(略)

代表取締役の権限

(1)代表権

上記の会社法の規定にあるとおり、代表取締役は会社を代表し、会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有するとされています。これは、代表取締役が対外的な関係において会社を代表し、かつ、その範囲が会社の業務の全てに及ぶことを意味します。すなわち、会社は代表取締役という代表機関を通じて対外的な行為を行い、代表取締役による行為は会社の行為として認識されます。

代表取締役は裁判上の行為をする権限を有することから、会社のために訴訟を提起し、訴訟代理人を選任し、審理において主張立証を行うといった各訴訟行為を行うことができます。実際には訴訟を行う場合には弁護士に委任することが多いでしょうが、弁護士を会社の訴訟代理人として選任するためには代表取締役によって作成された委任状が必要となります。

代表取締役は裁判外の行為をする権限を有することから、対外的な法律行為として会社のために第三者と契約を締結することができます。具体的には、会社が契約を締結する場合には、代表取締役が会社のために行うことを示したうえで署名又は記名押印します。

(2)業務執行権

代表取締役は会社法の規定により当然に業務執行権限を有します。業務執行とは、会社の事業計画の実行、製品の製造、サービスの提供、営業活動、人材管理、資金調達など各種の業務を行うことです。この業務執行は対外的な行為と対内的(社内的)なものとがあり、前者について代表取締役は代表権を行使することになります。対内的な業務執行として、代表取締役は業務執行取締役や使用人を統括し、会社の業務が適切に行われるようにします。また、そのような業務執行を通じて会社の事業の成果を上げることが期待されているといえます。

代表取締役の権限に対する内部的な制限

前述のとおり代表取締役の権限は包括的なものであり、その範囲は会社の業務の全てに及びます。そして、仮に会社が代表取締役の権限に何らかの制限を加えていても、そのような制限は、善意の第三者に対抗することができないとされています。

例えば、社内の規定において、一定の金額以上の取引については取締役会の承認を得なければならないとされていたにもかかわらず、代表取締役が取締役会の承認なしに第三者と取引を行ったとします。これは会社が設定した制限に違反する行為ですが、会社法では代表取締役の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができないとされています。「善意の第三者に対抗することができない」とは、代表取締役の権限に加えられた制限について知らなかった第三者に対しては、会社は制限に違反したことをもって代表取締役の権限を否定することができない(取引は有効となる)ということです。

法定の要件を欠く代表取締役の行為

会社法上、取締役会の承認決議を要するとされている事項について、そのような決議を経ないまま代表取締役が取引を行った場合、当該取引は法定の要件を満たしておらず、手続上の問題があるといえます。しかし、法定の要件を満たしていないことを理由に一律にそのような行為を無効としていると、取引の安全を害し、相手方が不測の損害を被るおそれがあります。

この点、判例は代表取締役が会社の業務に関して包括的な代表権を有していることを重視し、取締役会の決議を経ないで行った取引行為は原則として有効であって、ただ、相手方が取締役会の決議を経ていないことを知りまたは知り得べかりしときに限って無効であるとしています。この判例の基準によると、取引の相手方において取締役会決議がないことを知っていた場合や、知らない場合であってもそのことについて過失がある場合には取引は無効となります。

上記とは異なり、判例は取締役会の決議を経ないで代表取締役が行った新株発行については無効とはならないとしています。

代表権を濫用した代表取締役の行為

代表取締役が代表権の範囲内で行った第三者との取引において、その真意は自己又は第三者の利益を図るためであったという場合、そのような取引は代表権を濫用して行ったものと評価できます。そのような場合も取引の有効性が問題となりますが、判例は取締役会の承認決議を欠く場合と同様、相手方が代表取締役の真意を知りまたは知り得べかりしときには無効であるとしています。

代表取締役の選定

取締役会を設置している会社では取締役会の決議によって取締役の中から代表取締役を選定しなければなりません。取締役会を設置していない会社では、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができます。(取締役会を設置していない会社では代表取締役を定めないことも可能です。その場合、全ての取締役が代表権を有します。)

代表取締役であることの確認

会社の代表取締役の氏名・住所は登記事項とされています。そのため、会社の登記を確認することで代表取締役が誰であるかを確認することができます。
        


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