企業による弁護士費用の支払い状況について解説します。

企業による弁護士の利用状況

日本弁護士連合会は中小企業における弁護士ニーズの把握等を目的としてアンケート調査を実施しています（日本弁護士連合会「中小企業弁護士ニーズ調査報告書」（２０１７年８月報告））。本稿では、この日弁連の報告に基づいて筆者が集計した数字等をお示しします。

【総計】企業が過去５年間に支払った弁護士費用

日弁連の調査報告によれば、中小企業において過去５年間に支払った弁護士費用は以下のとおりでした。

【業種別】企業が過去５年間に支払った弁護士費用

業種別にみると以下のとおりです。

上の表からすると、弁護士費用の支払いが比較的多い業種（１００万円超）としては、不動産業・金融業（３８％）、飲食店・宿泊業（３０％）、運輸業・倉庫業（２６％）、サービス業（２２％）、となっています。

【売上別】企業が過去５年間に支払った弁護士費用

売上別にみると以下のとおりです。

上の表からすると、売上規模が大きい企業ほど弁護士費用を支払った割合が高くなっていることが分かります。特に売上が５億円以上になると半数以上の企業が弁護士費用を支払っていることになります。

【従業員別】弁護士を利用したことがある企業

従業員数別にみると以下のとおりです。

上の表からすると、従業員数が多い企業ほど弁護士を利用したことがある割合が高くなることが分かります。特に従業員数が２１人以上になると半数以上の企業が弁護士費用を支払っていることになります。