契約書
契約書を郵送する際の注意点とチェック項目
投稿日 : 2019年03月24日契約を締結するために契約書を相手方に郵送することがあると思います。契約書の郵送前にチェックすべき事項について解説します。
郵送による契約書の締結
企業間で契約書を締結するプロセスとして、内容の検討はWordファイルを用いて行いますが、締結する際には紙に印刷して両当事者が記名押印することになります。
記名押印は多くの場合、代表取締役が代表者印を押印する方法で行います。この押印の作業は郵送で行うのが一般的です。郵送による契約締結の流れを示すと以下のとおりです。
(1)一方の当事者が契約書2通を準備し、自社の代表者印を2通分押印する。
(2)押印した2通の契約書を、相手方の当事者に郵送する。
(3)相手方当事者が2通の契約書に押印し、1通を自社用に保管し、もう1通を返送する。
最初に契約書2通を準備する当事者がチェックすべき事項
最初に契約書2通を準備する当事者が相手方に郵送する前にチェックするべき事項は以下のとおりです。
(1)契約書の最終版を印刷する
契約書は最終版が確定するまでに何度もドラフト(契約書案)をやりとりすることがあります。当然のことながら、印刷すべきは最終版です。誤って最終版より前のバージョンの契約書を印刷しないようご注意ください。
(2)最終版に空欄や補充すべき箇所がないかを確認する
ドラフト段階では「最後に埋めればいい」と考えて空欄や補充すべき箇所を残したままとすることがあります。そのような空欄等が最終版まで残っていないかを確認する必要があります。
(3)別紙が漏れていないか確認する
契約書に別紙を添付する必要があるか、また、別紙を添付する場合に漏れていないかを確認する必要があります。特に、別紙をExcelファイルで作成するなどして別ファイルとなっている場合、漏れが生じやすいので注意が必要です。
(4)契約日を記載する
印刷前に契約日を入力します。郵送で契約を締結する場合、必然的に各当事者の押印日が異なることになります。この場合の契約日をいつにするべきかについてはこちらの記事(契約書の日付と締結日(バックデートの可否))をご参照ください。
(5)印紙の貼付漏れのないようにする
課税文書には印紙を貼付します。課税文書であれば最終的には原本の2通とも印紙を貼って消印をしなければなりません。印紙代を両当事者で折半する場合、最初に契約書を準備する当事者は1通分のみ印紙を貼付して消印をすることで足ります。印紙についてはこちらの記事(契約書に貼付する印紙)をご参照ください。
(6)契約書の製本と契印の押印
複数ページに亘る契約書はホチキスで綴じるかテープで製本します。そのうえで必要箇所に契印を押印します。契印についてはこちらの記事(契約書の綴じ方・製本)をご参照ください。
(7)最終チェックのために通しで読む
契約書のドラフトは画面上で見ることが多いため、一覧性のある紙に印刷してみると修正すべき点が見つかることがあります。例えば、誤字脱字、フォントや行間の不揃い、甲乙を逆にしているなどは頻繁に見られますのでご注意ください。面倒ではありますが、最終チェックのために通しで読むことをお勧めします。
契約書2通を相手方に郵送する
上記のチェックを終えたら契約書2通を相手方に郵送します。郵送する際の注意点は以下のとおりです。
(1)契約書が折れないようにクリアファイルに入れる。
(2)送付状を作成して同封する。送付状では契約締結の御礼を述べるとともに、押印後に1通を返送して欲しい旨を記載する。
(3)返信用封筒を同封する。返信用封筒には宛名を記入し、切手も貼付する。
(4)簡易書留等の記録に残る方法で郵送する。急ぐ場合はバイク便も検討する。
そして、郵送した後の話ではありますが、
(5)後日、相手方から押印済みの1通が返送されてきたことを確認する。
これも忘れないようにする必要があります。
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