契約書
契約書の綴じ方・製本
投稿日 : 2018年01月31日契約書の綴じ方と製本の方法について解説します。
契約書を綴じる必要性
契約書が数ページにわたる場合、その一体性を確保するため、また、締結後にページをすり替える等の改ざんを防止するために適切に綴じる必要があります。
ホチキス留めして契印を押す方法
契約書の左側をホチキスで留め、その留めた側の見開き部分に各当事者の契印を押す方法です。具体的には、ホチキスで留めた部分を折り目として1ページ目を左側に折り、1ページ目の裏側と2ページ目の表側に印鑑がまたがるように押印します。この作業を全ページ分(全見開き部分)行います。
通常は両当事者が契印を押印しますが、重要なのは自社の契印が押印されていることです。自社の契印さえあれば、契約の相手方が改ざんすることはできなくなります。逆に、相手方の契印がなくとも自社としてはあまり気にする必要はないといえます。
この方法をとる場合、全ページの見開き部分に契印を押印する必要があるため、ページ数が多い契約書では手間がかかります。
袋とじにして製本する方法
契約書を袋とじの製本にすることで一体とする方法です。具体的には、契約書の左側をホチキスで留め、その上に袋とじ用の紙又は製本テープを貼り付けます。そして、貼り付けた紙又はテープと契約書にまたがるように押印します。押印は契約書の裏面(最終ページの裏面)にのみ行うこともあれば、表面(1ページ目の表)と裏面(最終ページの裏面)の両方行うこともあります。
契印がない場合の契約の効力
契印がない場合であっても契約としての効力には何の影響もありません。契約書の署名欄に権限者が署名又は押印しているのであれば有効な契約として成立します。契印はあくまでも改ざんを防止するためになされるものです。
契印を忘れてしまった場合にどうするか
契印を忘れてしまうこともあると思います。その場合、敢えて相手方にお願いして契印を押印することを求めるべきでしょうか。
まず、契約書を1通のみ作成して自社が原本を保管している場合、契約の相手方が改ざんすることは不可能です。そして、上に述べたとおり契印の有無は契約の効力に影響しません。そのため、敢えて相手方にお願いして契印を押印する必要性はないといえます。
これに対し、契約書を2通作成し、各自が1通ずつ保管している場合、相手方は自らの持っている契約書を改ざんすることが一応できてしまいます。しかし、自社にも契約書の原本又は副本がある以上、相手方が改ざんをしても改ざんの事実を指摘することが可能です。また、そもそも契約書を改ざんする行為は私文書偽造(変造)にあたり、犯罪行為です。真っ当な会社であればそのような行為にまで及ぶリスクは高いとはいえません。そのため、契約書を2通作成し、各自が1通ずつ保管している場合、契印を忘れてしまったとしても相手方にお願いして契印の押印を求めるか否かはケースバイケースで判断すれば良いと思われます。
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